1.ターミナルケア(Terminal Care)(1)
2.ターミナルケア(Terminal Care)(2)


1.ターミナルケア(Terminal Care)(1)


 ターミナルケアの定義としては、「医師によって不治の病気であるとの診断を受け、それから先数週から数ヶ月のうちに死亡するだろうと予期された人のケア」(Holford 1973)というのが最も古い定義であるいう。日野原(日内誌85,12号,H8.12.10)は、ターミナルケアとは、医学的手段によってある疾患を治癒させることが、専門家または経験の深い医師の判断では不可能となったときに、たとえ疾患は治されないとしても、たくみな薬物その他・看護による対症的処置と、身体的のほかに、社会的な面や精神的面、さらには霊的な面からも患者の心を支えて、心身ともに苦しみを少なくし、心の安きを得るように世話(care)する。そのような状況で、死を当人が迎えることができれば、疾患は何であれ、患者の人格が最後まで損なわされず、いわゆる尊厳死を迎えることができるという。

関連事項:緩和医療・尊厳死・安楽死・ホスピス

2.ターミナルケア(Terminal Care)(2)

定義:死が確実に接近していて、それがあまり遠くないと感じられる患者で、(積極的な)治療法をとらない方向に医療体制が向いており、症状を軽くさせ、患者と家族の両側を支えようとするようになったときのケアであるという(日野原重明、ターミナルケア、日内会誌、Vol.85,No.12,1996)。 

 日野原先生は、ターミナルケアとは、医学的手段によってある疾患を治癒させることが、専門家または経験深い医師の判断では不可能となった時に、例え疾患は治されないとしても、巧みな薬物その他・看護による対症的処置と、身体的の他に、社会的面や精神的面、更には霊的な面からも患者の心を支えて、心身共に苦しみを少なくし、心の泰樹を得るように世話(ケア)する。そのような状況で氏を当人が迎えることが出来れば、疾患は何であれ、患者の人格が最後まで損なわされず、所謂尊厳死を迎えることが出来る。それが望ましいターミナルケアと言えようと言っている。

 現在、ターミナルケアと言うと、癌末期の患者様を対象に緩和ケア・ホスピスケアが主として論じられるが、老人医療もまた人生の終末期としてのお年寄りにターミナルケアを考えなければならない。

 ターミナルケアを論ずるに当たっては、生老病死についての確固たる考えが無ければならない。生物は生まれ、生き、成熟し、衰退して死ぬ。ライフサイクルの中で、"如何に生き死ぬか"は永遠のテーマである。しかし、現実的問題である。日本臨床死生学会(http://jsct.umin.ac.jp)の創設趣意で「現代医療は身体の病気を持った人々の健康を回復させるために多大な貢献をしてきたが、それに伴い精神的関わりの重要性と必要性が増してきた。・・病気や死に伴う恐怖や不安、悲しみ、死別による悲嘆と言ったものは、例えどんなに医学が進歩しようともなくなるものではなく、先端技術に裏打ちされた医療にはより一層精神面への配慮が求められてくるからである。・・・本学会の主たる目的と意義は、例えば、死に行く者や士別に伴う悲嘆のケア、ターミナルケア、緩和ケア、難治性致死的疾患など日々市と隣接している患者や其の家族のケア、脳死や植物状態による患者の家族のケア、災害など不慮の死による残されたもののケア、身体の一部を喪失した人の精神的問題、致死的疾患の告知に伴う問題、自殺をめぐる問題、病気にまつわる生と死の問題、加齢や老化と死をめぐる問題、医療提供者や援助者に対する生と死の教育、死に関する社会問題など・・・」を取り上げられるように、幅広く学んでいかなくてはならない。所謂「死生学」である。