老年心理

 お年よりの一般的特徴として、@不健康と病弱、A経済的貧困、B孤独と孤立、の傾向にある。すなわち、生活調整能力低下により、自主的行動、自立した生活が出来にくくなり、心気的傾向が強く表面化し、必要以上に用心深くなり、他のことが手につかなくなる。収入がなくなると子供たちもあまり寄り付かなくなる傾向があり、せっかく生きがいとして子育てに明け暮れていた両親は、生きがいも喪失する。また、家庭的にも社会的にも役割を離れ、地位を他人に譲り渡すということで人的接触や行動範囲が狭くなり、自閉化し、外部からの刺激に興味や関心を全く失ってしまう。
 また、加齢にともなう感覚・知覚能力・記憶力・知能等の能力の低下などが、精神的な障害に結びつくこともある。とくに心理的な面では、被害妄想や作話、異常行動などのほか、うつ病、神経症などの精神疾患が発症することがある。中でも、身につけていた知能や高次の精神機能に障害が出る痴呆は大きな問題となっている。
 このような状態にあるお年寄りに、私たちはどんなお世話をさせていただけるのか。どうしたら喜んでいただけるか。職員各位に考えていただくと共に、工夫をこらし、実践していただきたい。そして、その考えの基盤を「自分の両親、自分の祖父母だったらどのようにさせていただくか」という位置に立っていただきたい。

参考:お年寄りの基本的要求とは何か?(ジャービック他)
1)社会的に有用でありたいという要求
2)ルーツを維持しつつ、しかも、どこでどのように生きるかを選びたいとする要求
3)病気や衰弱した時に、世話されたいとする要求
4)死が病気としてではなく、生の自然な過程として扱われるべきだとする要求