死生学

 死生学とは、Thanatology という。このThanaとは「タナトス」とういう死の人格化で、ニュクス(夜)の息子で、ヒュプノス(眠り)の兄弟である話から由来されている。ギリシャ神話では、「タナトスは死の天使の役割を持ち、人間に割り当てられた寿命が過ぎると、その人間のもとに赴き、その髪の毛の房を切ってハデス(地下の冥府の王、その名は<見えざる者>)に献上し、それから人間を連れ去る」という。
英語では、「死の学問」とズバリと言うが、日本では、死だけを取り上げるのを避けて、「死生学」と呼んでいる。

AERA Mook「死生学がわかる。」 ,朝日新聞社,20006/10

 たとえば,死にゆく者や死別に伴う悲嘆のケア,ターミナルケア,緩和ケア,難治性致死的疾患など日々死と隣接している患者やその家族のケア,脳死や植物状態による患者の家族のケア,災害など不慮の死による残された者のケア,身体の一部を喪失した人の精神的問題,致死的疾患の告知に伴う問題,自殺をめぐる問題,病気にまつわる生と死の問題,加齢や老化と死をめぐる問題,医療提供者や援助者に対する生と死の教育,死に関する社会的問題など,臨床の場における死生をめぐる全人的問題をメンタルヘルスの観点から学際的かつ学術的に研究し,その実践と教育を行うことにより,医療の向上に寄与する学問である。(日本臨床死生学会)