| 月刊保険診療,2004年1月 第59巻,第1号(通巻1376号) |
| 医事課にお邪魔 第50回 |
川崎田園都市病院(神奈川県川崎市)標榜科目数3 病床数305(療養194床,老人性痴呆疾患療養111床)(すべて介護保険適用) ホームページ http://www.otosiyori.com/ ◆フラワーワークやメイクアップ教室,また遊びとリハビリテーションを組み合わせた“遊びりテーション” −楽しみながら自然にお年寄りの意欲を喚起させるような工夫があふれている。◆前身は,特例許可老人病院であった柿生病院。第4次医療法改正を受けて療養病床へ転換するため,旧住所から2kmの現在の地に新築移転してきた。その際,川崎市内では前例のなかった老人性痴呆疾患療養病棟111床を増床した。◆介護療養型医療施設ではあるが医療依存度の高い患者を積極的に受け入れているため,他県からの入院相談も非常に多いという。(取材・大倉真登佳) コレがうちの医事課! 事務部に所属する医事課は5人の正職員で構成されている。医事業務全体の指導・管理者(1人)がいる。受付および診療情報入力の担当(3人)と,介護認定の事務処理および物品管理担当(1人)と業務担当を割り振ってはいるが,基本的には全員で外来受付,入院受付,入院・外来の会計処理.診療情報入力,保険請求,介護認定の事務処理,電話応対など医事課の全業務をこなしている。 患者だけでなく,他医療機関の職員,医療関係業者などすべての来訪者が立ち寄るのが玄関入ってすぐの受付。そのため,医事課職員には臨機応変な窓口応対能力が求められる。オープンカウンター式の受付の奥は事務室となっており,医事課職員だけでなく事務部の全職員の席がある。 全入院患者が介護保険の対象となっていることから,毎月平均約20人が介護認定の更新をしている。病棟で認定作業が行われたあと,医事課が事務処理を行う。 医事課には,マニュアルとも言える「わからないことファイル」がある。受付の流れ,問い合わせに対する回答の仕方,書類の扱いなどをまとめた職員のための覚え書きのようなもの。必要に応じて情報を追加している。 費用対効果を考え,コンピュータは,パソコンに医事課の総合ソフトを入れて使用している。薬品名や検査名をカナ入力すると医事コードが出てくるもの。なまじ作り込んでいないだけに,職員の使い勝手がいいという。エクセルファイルで「保険確認リスト」や「生活保護認定患者リスト」などをつくってみんなで参照したりする。また,受付には小さなノートを置き,患者氏名と旧番号を記して職員の誰が見てもすぐにわかるようにしてある。 保険請求業務については,外来の場合,まず仮レセフトを打ち出して,経験者がひととおりカルテを見ながら病名チェック。その修正入力を月末までに終え,改めて発行したレセフトを課内全員で点検するという流れになっている。すべてのレセフトに全員が目を通し,他の職員が入れた赤字を見ることが勉強にもなっているのだそうだ。 入院分の介護保険の請求では,重度療養管理加算(該当する患者の多くは「頻回な喀痰吸引を実施している患者」)の算定に手間がかかっている。病棟では,患者別に1日ごと,1時間につき何回喀痰吸引を実施したかを1ヶ月単位の伝票に正の字でチェック。それが翌月1日に医事課のもとに回ってくるので,日数,回数のチェックをしてから加算がとれるか否かを判断している。そのため,どうしてもレセプト請求の時期がずれ込みがちという。 こんなもの発見 「ロビーコンサート」 グランドピアノが置いてある1階のロビーでは,毎月1回,入院患者を対象としたコンサートを開催している。これまで,音楽家による歌や楽器の演奏,また落語家による寄席,近所の高校の生徒たちによる合唱など幅広いジャンルの様々な出し物を披露。出演者とのやりとりや調整は音楽ボランティア・ コーディネーターと看護部長が行っている。 「院内ボランティア」 院長の積極的な推進もあり,院内ではボランティアが活躍している。患者搬送に人手が必要な,月に1度のロビーコンサートの際に多くのボランティアが集まるので,コンサート終了後は院長とボランティアがミーティングを兼ねた情報交換を行っている。ボランティアは好きな日を選んでやって来て,主に病棟で活躍。患者の話し相手をしたり,病棟でガーゼたたみやメイクアッフ教室といったイベントの手伝いなどをしている。2004年1月には,ボランティア活動情報のホームページが完成する予定。 「投書」 患者用には1階玄関脇に「皆さまのご意見箱」を設置。また職員用としては「声の箱」を2階職員玄関脇に設置。いずれの投書箱も院長しか開封できない仕組みとなっており,院長が責任を持って回答している。患者投書に対しては,1階掲示板に回答書を貼り出している。 一方,職員用の「声の箱」に寄せられた意見に対する回答は職員用更衣室の通路に掲示。また,院内には調査研究委員会があり,定期的に職場環境の実態調査を行って改善に努めている。最近実施したのは,「職場の雰囲気と職業ストレスについてのアンケート」。この集計結果をまとめて掲示板に貼り 出している。 「むずかしいパソコン講座」 院内には,週1日だけ勤務してもらっているIT課職員(契約職員)が1名いる。主な業務は院内で運用する伝票のフォーマットづくりや院内掲示物づくりなど。この職員が講師となつて職員向けの「パソコン講座」を行っている。 職員エピソード 常木実穂さん 2年目 1カ月のうちで一番やりがいを感じるのは,忙しさが凝縮するレセプト総括の日。点数計算,合計枚数が合うと思わず「やった!」と嬉しくなります。これが終わると一区切りついた,やり遂げたという達成感があるのです。療養型は外来が少なく,医事課も終日のんびりした雰囲気のなかで仕事をしています。だから余計に充実感を得られるのかもしれません。でも,このゆとりのおかげで,患者様お一人おひとりに丁寧に対応できるというメリットがあります。 池田亜紀奈さん 2年目 入職当初は,接遇面で叱られることが多々ありました。当時の私は高校を卒業したばかり。接遇やマナーを学ぶ機会がなかったので,具体的なイメージもできずに苦しんでいました。そんなとき,業務の一環として外部の接遇研修に参加しました。知らない顔ばかりのなか,初参加の私は大いに緊張。さらに,まわりのみんなの模範的な応対をみて,身が引き締まる思いでした。でも,この研修が,私もがんばろう! と一念発起するいい機会になりました。 ![]() 【川崎田園都市病院DATA】 ◆開院年月日:2001年8月1日(旧称:柿生病院1985年12月1日) ◆病床利用率:療養病棟98% 老人性痴呆疾患療養病棟95% ◆平均在院日数:療養792日 老人性痴呆疾患療養糾0日 ◆外来/患者数:15人/日 レセプト数:250件/月 診療録:A4判1患者1カルテ方式。アクティブ1年分は受付奥の棚に保管。それ以前のものは院内カルテ庫に保管。 ◆入院/患者数:300人/月,レセプト数:310件/月 診療録:30cmx24cmサイズ1患者1カルテ方式。退院分は院内カルテ庫に保管。 |